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夏の花火と私の死体 【★★    rank C 】 No.29

2008年11月01日

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)(2000/05)
著 乙一
社 集英社文庫
Ex 第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作

乙一の出世作・・・にしてはすばらしく微妙です。

書いた当時16歳ってのはすごいことかもしれない。
が、内容はというと、世間が過大評価しすぎである感が否めない。
この本が宣伝されるたびに、乙一は〝黒歴史〟にもだえていることだろうw

まずは、友人 I (当時高校2年)のコメントより。
この話は非常に独特の一人称で構成されている。ずばり、死人による一人称である。タイトルからも分かるように、「わたし」は死体だ。
友達に殺された少女による一人称は独特を通り越して奇異である。


良いコメントだ。
さて。この本はせっかくだから夏に読もうと思っていた。
が、その夏は3度も過ぎ去り、また冬将軍が装備品チェックを始めた。
・・・このままだとずっと読めずじまいだ!そこで思い切って今日(08/11.1)読んでみた。
本書の持つ空気のお陰でいくらか寒さも和らいだ気がしないでもない。

つまり、このレビューは取って出しなわけだ。

さて。どうも世間からは過大評価されているであろう今作。
普段あまり本を読まない人にはとっつきやすい読みやすい文体に、中学校の教科書を思い出させる大きな文字。無駄がないというよりは簡素な構成と、それこそ昨日読み終わった『死に至る病』(キュルケゴール)とは全く逆の本だったね。

展開から結末、オチのタイミングまで読めてしまう乙一作品というものも珍しい。
16歳、つまり高校二年生とはいえ、友人の I のが(短編だけど)面白い小説書いてたよ~な・・・。

そして、どーしても物語の合い間に作者の介入を感じ取ってしまう。
偶然にも頼りすぎで、死人である「わたし」、五月に気がつかない様はもはや滑稽ですらある。

ちょっと引用すると、

もし男の人の目線がもう少し低ければ、私の爪先が見えていただろう。残念ながら、わたしに気づいた様子はない。しかし次の蓋さえ持ちあげられれば、どんなに鈍感な人間でもわたしに気がつくのだ。

こんな文章&展開が何度も繰り返されるのである。う~む。。。ドタバタしすぎだ。

これからは書店で平積みされてるのを見かけたら、そっとGOTHに入れ替えてあげようかな?

死人の視点というよりは神の視点で話が進行する。
これが完全に死人の視点のみで物語が展開する小説だったら、もっと面白くなったのではないだろうか?
それはとても難しいことだけれど、今の乙一ではできないこともないと思うのだが・・・。

<あらすじ>
ちょっとしたことで友人の少女(五月)を殺してしまったのは9歳の女の子である弥生だった。
弥生は兄(健くん)と一緒にその死体を隠すことにする。

花火の上がる夏の夜、その闇に紛れ幼い殺人者たちは死体を運ぶ。

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