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自殺死体の叫び 【★★★★  rank A 】 No.347

2009年02月09日

自殺死体の叫び (角川文庫)(2003/08)
著 上野正彦
社 角川文庫
Ex 法医学

元東京都監察医務院長・医学博士である著者が語る監察医の仕事。
死人を診る医者は解剖医だけではない。
警察と行動を共にする監察医もまた、死人を診る医者なのだ。
自殺死体のむごさ、他者への迷惑についてはもちろん触れる。
そして〝自殺に見せかけた殺人は監察医にかかれば一発で見抜かれる〟ということを現場を知る著者が諭してくれる。
現実は小説より奇なり・・・というか。まるで短編(各2P)推理小説でも読んでいるかのような感覚を覚える。

この前クラスの友人らと鍋を食ってる時テレビで月9のドラマ『ヴォイス ~命なき者の声』を見て「今しかない!」と判断した。
だいたい、月9で法医学を扱おうってその根性を買おうじゃないか(ドラマは脚色しすぎだけどな)
まさに「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」(笑)じゃないが、「この本を紹介せねば」と思った次第。

良い本を良いと言ってなにが悪い。テーマが黒くても関係ねぇ。
表紙が禍々し過ぎて引くけどなww「監察医ってなに?」と少しでも興味を持ったなら読んで損はしない。

自殺も殺人も、ダメ、ゼッタイ。
ためらい創については・・・正直キツイね・・・。

<まとめ>
第1章             樹海では年一回の大捜索が行われている。捜索隊に同行した著者が見つけたのは白骨死体。
青木ヶ原樹海レポート    推測するに、首吊り→腐敗でバラバラ死体となって地面に→ネズミ・野犬が食い散らしたのだろう。
                 美しい森、大自然に還るように死ぬ?――否。現実は轢死体と変わりない姿を晒すものなのだ。

第2章             監察医とは、(自殺を含む)変死の際、警察の調査に協力して検視・解剖を行い、
自殺死体の行く末      死亡原因を特定する医者である。
                 数多くの死体を診(視?)てきた監察医だからこそ死体が語るメッセージ
                 ――自殺は偽装工作で、本当は殺人なんだ――を読み取ることもできるというもの。

第3章            ノコギリで首切り自殺!?首吊りの落とし穴、漂流死体・・・自殺か、はたまた殺人か。
自殺死体に残された    判断は難しいが、監察医・法医学の腕の見せ所でもある。偽装してもバレるぜ?
悲痛メッセージ       また医者も危険な服毒・一酸化中毒自殺に無残な轢死体や入水自殺死体の数々。
                仕事とはいえ・・・お疲れ様です。

第4章            増える自殺の背景。人間関係の希薄化、不況(バブル崩壊)、いじめetc...
自殺死体の声なき叫び  社会にある自殺を誘発する構造から変えていかなければならない。

第5章            犯罪を隠すために様々な偽装が死体に施されることはいくらでもある。
「死者の名医」の条件   それらに惑わされず、死体所見からすべてを読み取る力が備わっていることが「死者の名医」の条件だ。
                死体は絶対にウソをつかないし、
                法医学者として経験を積めば、もの言わぬ死体と自由に語り合えるのである。

<引用>

例えば、立っている状態から、加速度を持って後方へ転倒する際に右後頭部をコンクリートの路面で打ったとすると、頭蓋骨の中で水に浮く豆腐のような状態にある脳は、反作用で左前方に移動する。その際、脳の左前頭部は、頭蓋骨に激突して脳挫傷を形成するのである。~、死体は、決してウソをつくことはない。(p76 15行~)


 

職業柄なのか、「どうすれば完全犯罪ができますか」という興味本位の質問を受ける機会が多いが、証拠を残さずに人の命を奪うことなどできないというのが私の意見である。生きている者は、そう簡単に死ねるものではない。死ぬからには、医学的にも社会的にも相当な理由、原因があるはずで、まして殺人ともなれば、生から死への移行には必ず無理、矛盾が生じるものである。
 死体には、必ず死因を表す所見がどこかに存在している。病死や事故死に偽装しても、殺人死体であることに変わりなければ、ごまかすことなど不可能だ。
 例えるなら、アフリカのサバンナを写した写真に、ライオンやシマウマと並んでペンギンや白熊がいれば、事情を知る者は必ずやそのおかしさに気づくはずである。偽装工作を施された場合でも、死体が語るメッセージで真実がわかるのは、まさにそういうことなのである。
(p79 15行~)





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