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ゆめうつつ草紙 【★★☆   rank C+】 No.552

2009年10月17日

(2002/04)
著 原田宗典
社 幻冬舎文庫
Ex 「ぜつぼうの濁点」は絵本になり、
   「秘密」は中学生向けの国語教科書に載っていたりする。

父の書斎にあった本を拝借。
この本を初めて読んだのは小学生のころだったろうか。
再読してみると、特殊な本の構成も相まって、地味ながら印象深い短編が多いことに気が付く。

本書巻末の『自作解説』より。

(略)、そして「文学」だの「小説」だのというご大層な鎧を脱ぎ、身構えるのを止めました。
 自分にとっての初心とは、少年の頃に読んだり聞いたりした「お話」にある、と思ったのです。

本書を開いてみれば、余白が多く、字が大きいのが分かるはず。
これは上記のように、リズムの整った「お話」を語ってもらうための配慮。

それこそ、字を小さくすれば見開き1頁に収まってしまうであろう短編もある。
全15編。短く、淡白なのは確かだが、読んで損した、なんて話はひとつもない・・・はず。

・・・それにしても、エッセイとのギャップが大きい人だなぁ。
いや、そのギャップがまたいいんだけどね。サラッとした短編集も好きよ?

<あらすじ>
『嘘の女王』    遠い昔、この世の片隅に、「嘘の国」を収める嘘の女王がおりました。
★★★★      彼女はある日「真実の国」の真実の王子に恋をしてしまいます。
            この想いを伝えたいのですが、一度でも真実を口にしようものなら、その命は失われてしまうのです・・・。

『誰かが誰かを』  「いや、我々は別にあいつらがツルツルだから嫌なのではない。
★★          ツルツルなのは何とか許す。だがシワシワでないことは どうにもこうにも許せないのだ。」

『三人めの天使』  「好き」を司る好きの天使と、「嫌い」を司る嫌いの天使。
★           「何もかも嫌いだと言うけれど、じゃあ君は嫌いというのも嫌いなの?」

『失われた女』   夫が重い病にたおれる。
★           「俺が死んだらお前が他の男のものになるのが惜しい」 それを聞いた妻は・・

『消す魔術師』   「おまえにどんなものでもこの世から消してしまう 消す魔術 を与えてやる。
★★★        その魔術を使って、この世の中を面白くしてみせろ」 目の前に現れた魔人はそう言った。

『願いの壺』     「これは願いの壺と呼ばれるものだ。壺の中に向かって願うがいい。その言葉は封印され、願いは必ずや叶うだろう」
★★★★       何を願ったのか忘れた私は、十年ぶりにここ、ブエノスアイレスを訪れたのだった。

『一途なハーモニカ』 “私”を買ってくれたのは憧れの女子学生。
★             でも、それには乙女らしい狙い、(好きな男の子と間接キス)があってのことで・・・。

『漂う町にて』     ここにいる奴は皆、あんたと同じで 何もかも思い出せないんだよ。
★            無理に思いだそうとすると、あんたの胸の穴が疼いて 今よりもっと虚しくなるぞ。

『矢印の方へ』     或る夜、女と別れた私はやけ酒を飲んだ。道を歩いていると、目の前に白衣を着た誰かが・・
★★★★         ・・・って、え?この白いのって、一方通行表示の白い矢印じゃ・・・
              「俺についてきな」 「今のおまえよりも もっと不幸な奴を見せてやる」

『ぜつぼうの濁点』   ぜつぼうの「ぜ」の濁点は、絶望にくれる主人を見かねて出ていくことにした。
★             けれども、絶望の濁点を欲しがるような 「ことば」 はどこにも無くて・・・。

『ひとりと云う鳥』    「そいつは空じゃございませんよ」 と、彼はいう。
★             「孤独の中で一人ぼっちで見ないことには 姿が見えない鳥なんです」

『シンユウ記』      「親友を育てて恋人をゲットしよう!」
★             送られてきたオサム?号はまず男として育ち、飼い主と親友関係を築くと、一晩のうちに女になるという。
               で、そいつはというと・・「ふざけんな、バカ」が口癖の問題児らしく。
               ・・・・ま、こいつが嫌いになったら「キル・スイッチ」を押せばいいんだけどね。

『二〇〇六歳になったぼくの話』   まさか 一晩だけ 2006歳になるなんて、思ってなかったよ。
★★★                  嘘だって思ってるでしょ?証拠だってあるんだ、本当なんだよ。

『水差しを手にした女』  若き詩人は 一枚の絵の女に恋をした。
★              そんな彼が死んだとき・・・。

『秘密』       秘密屋 という質屋で、母親の隠し事が高額で売られているのを見つけてしまった“ぼく”。
★★         「どんな秘密でも、うちは買い取りますよ」


<関連記事>
東京困惑日記 【★★☆   rank C+ 】 No.30
◇海の短編集 【★★★☆  rank B+】 No.553
◇人の短編集 【★★★    rank B 】 No.554

<外部リンク>
ゆめうつつ草紙 自作を語る ~はらだしき村(原田宗典公式サイト)
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