[本] 老化とは何か

2012年07月16日

老化とは何か (岩波新書)(1993/09)
No:0158
Rank: A
著:今堀和友
社:岩波新書(297)
属:医療・生物学
読了1:070711
読了2:未
Ex:画像イメージ無し

・いや、まさか19(読書当時)の自分が老化の本を読むとはな・・。
・ただ骨が弱くなったり脳の機能が低下していくことが老化と思っていたが、実のところはよくできた生物としての必須機能なんだなぁと感心しつつ読んだ記憶がある。
・細胞分裂の限界設定、自殺する細胞etc...機動戦士ガンダムSEED(アニメ)や、GATACA(映画)の元ネタとしても楽しめる・・・かもしれない。


<要旨>
近いうちに超高齢化となる日本。
ゆえに、一人ひとりが、あくまで“科学的に”老いを理解することが重要となってくる。
老化を支配しているのはなにか? 老化の防止策とは? など様々な 老い について、最新の考え方(1993)で答えていく。

<まとめ>
Ⅰ 老化をどう捉えるか
 ・最近様々な“老化”に対する誤解がある。ただ、表などを見せられて感心するようではだめだ(数字の裏を読め)
 ・人は、医学の発達などにより寿命が延びたが、本来、生物は子孫を残した後は死ぬものであり、その点で“ヒト”に老化が見られるのは自然ともいえる。
 ・細胞には分裂回数に限界があるが(テロメア)、神経細胞は胎児期にもう分裂限界に達してしまう。
  つまり、単純に“分裂限界に近付くことが老化である”とはいかない。
 ・そこで、細胞の集合体である(全体のシステムとしての)器官を見てみると、加齢に伴い器官の重量が減少することが分かった。
  この“器官の委縮”と“老化”には関係があるはずだ。

Ⅱ 個体の変化
 ・人にはホメオスタシス(恒常性)というものがある
 ・ストレスなどを受けた時、もとの状態にもどそうとする力である
 ・“分裂限界”があることから、 この力が弱まること ≒ 老化 といえる
 ・本来、人体には予備としての細胞が多くあり、この細胞が死んでいくことである、ともいえる

Ⅲ 細胞の死はどうして起こるのか
 ・細胞には プログラム死 と 自然死 とがある
   プログラム死 ・・本来“死”が決められ、ある刺激をきっかけにして死んでいくこと
   自然死 ・・エントロピーを減少できなくなり、エントロピーの増大の結果として死ぬこと

Ⅳ アルツハイマー型 老人性痴呆 
 ・痴呆とは、人格が一変してしまう脳の老化
 ・高齢になるほど(特に女性に)発現しやすくなる
 ・脳神経は再生不可である。これが小さな梗塞などで血が供給されなくなり、死んでしまうことで痴呆となる
 ・かといって、脳が委縮したというだけでは痴呆かどうかを判定できない

Ⅳ-Ex アルツハイマー
 ・アルツハイマー と アルツハイマー型老人痴呆 と ダウン症は同じ原因なのでは?とされている
 ・ダウン症の人には第21染色体が3本あり、これが原因とおもわれる
 ・しかし、家族性のアルツハイマー症の原因は第14染色体では?という見解もあり、現在(1993)でもその解決への道は険しく遠い。

Ⅴ 疫学的研究
 ・夫婦は死別すると、どちらにしろ死亡率が急増する。これはストレスによるものとされている
 ・何事も自分で行うことで、骨粗鬆症を防ぐべし

 知的機能と老化の関係を見ると、流動性能力(記憶力・学習能力など)は衰えていくが、結晶性能力(蓄積した力を昇華する力)はむしろ上昇するとされる。

 今、情報化により、後者の力は埋められつつある。老年となっても、学ぶ意欲を強く持ち、生きていかねばならない。



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