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緋色の研究  【★★    rank C 】No.556

2010年03月13日

緋色の研究 (新潮文庫)(1953/05)
著 コナンドイル(訳:延原謙)
社 新潮文庫
Ex ホームズ 文学参考文献

文学参考文献。
シャーロック・ホームズシリーズ第一弾。
ホームズとワトソンの出会いなど、有名な場面も。
親の本棚にあったのでこっちにもってきた参考文献。むかし読んだし、漫画本もあるのだが、授業があるってことで再読。

そう、ぼくには独自の職業がある。この職業をもっているのは、おそらく世界中で僕ひとりだろうが、じつは顧問探偵なんだ。(P30)


いささか美術的な表現をつかったっていいだろう?人生という無色の糸かせには、殺人というまっ赤な糸がまざって巻きこまれている。
それを解きほぐして分離し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、僕らの任務なんだ(P63)


このホームズシリーズが世に出てから「私立探偵」が山ほど増えたのはちょっとした皮肉かもしれない。
世界には本当にずば抜けた能力を持つ探偵もいるのかもしれないが・・日本の探偵、その大半はペットの捜索や浮気調査や民事の証拠集めなどを行っている。最近では「別れさせ屋」日テレ視聴率買収工作などの「特殊工作」などをやっている探偵もいるようだが、あれは別枠か。

また、実際にはそのような仕事内容なので、求人資格は「体力」と「精神力」が重視されるとか。学歴問わずで一部で穴場とされていたり・・?
(現実、かなりの額の依頼料がかかるようだが・・ホームズの暮らしぶりは結構質素である)

元探偵だけど何か質問ある? ~ カジ速 を読んでみると面白いかと。



さて、私立探偵の本家本元のホームズさんの思考はどうなっているのだろうか?

「ただ一滴の水より」筆者はいう。「論理家は大西洋またはナイヤガラ瀑布など、見たり聞いたりしたことがなくても存在の可能なことを、推定しうるであろう。同様に、人生は一連の大きな鎖であるから、その本質を知ろうとすれば、一個の環を知りさえすればよいのである。~」(P28)


これ ↑ は作中にてホームズが書いたという雑誌のコラムの一部である。

「僕には観察にも推理にも才能があるんだ。そこに述べてある理論を、君は妄想だと思っているらしいが、ほんとうにきわめて実用的なんだ。
 いま現に僕は、それのおかげで毎日のパンを得ているくらいだからね。」(P30)


という言葉に違わず、ホームズはこの考えに基づいて現場の証拠ひとつから論理をどんどん展開していく。

でも、その推理法ってどーなの?視野が狭いような気がしないでもない。
本人が博識なので、思いつきというよりはまだ知識に裏打ちされている・・ようには思うが。さすがにちょいと無茶があるのではなかろうか。

・・自分は相手のペンの握り方を見て「おまえ習字習ってたろw」といって驚かすあたりが関の山である。
そもそも、仮説にさらに仮説を立てて・・というのは危険な気がする。偏見や占いと変わらないじゃないかと自分は考える。

現にワトソンが「なんというたわごとだ!」と代弁してくれるのだが、彼が最初にワトソンと握手をしただけで(要反転)

ここに医者タイプで、しかも軍人ふうの紳士がいる。すると軍医にちがいない。顔はまっ黒だが、黒さが生地でないのは、手首の白いのでわかる。してみると熱帯地がえりなのだ。艱難をなめ病気で悩んだことは、憔悴した顔が雄弁に物語っている。左腕に負傷している。動かしかたがぎこちなくて不自然だ。 わが陸軍の軍医が艱難をなめ腕に負傷までした熱帯地はどこだろう?むろんアフガニスタンだ。――と、これだけの過程をおわるには一秒も要しなかった。それで僕がそれをいったら、君は驚いたというわけさ」(P32)


と説明して感嘆させ、さらにエドガー・アラン・ポーの著作に出てきた有名な探偵等の実名をあげ、こきおろすことで読者の代弁者・ワトソンを黙らせる。

これはちょっと大人げないというか・・汚いというか・・?ま、気にするところではないか。

そう、ホームズの推理は十中八九、外れない。それも一瞬で結論に至る。
これは小説の魅力ある主人公、世界でただひとりの私立探偵としての矜持がそうさせるのだろう。

自分は首を傾げながら読み続けた。
郵便配達員が海兵隊の退役兵曹って一目で分かる・・のか?(P34参照)そして薬のカプセル、現場に残っていた一個の指輪(これはP28の“一個の環”と掛けているのだろう)だけでそこまでの結論によどみなく、まっすぐ突き進めるのだろうか

また、読者にはスタンガスン殺人現場の血については・・

「たしかに外傷はないというんですね?」彼はあたり一面に飛散した血痕を指さしながらふたりにたずねた。
~「ではむろんこの血は第二の人物のものだ。もし他殺だとすると、おそらく加害者のものだろう。~」(P44~)


・・・とある。被害者は外傷なのに現場には加害者の血があたり一面に・・ってのが謎のひとつなのに、その答えが 鼻血 ってどーゆーことだよ。
あたり一面に・・?それはねーよwと思ってしまうのである。

自分はさらに首をかしげながら読み進めることとなった。そのことがこの評価につながっているのかもしれない。
また、参考文献として続けて「四つの署名」を読んだので、ワトソンの傷の位置などの設定ミスなども細かいことだが気になってしまう。
「聖書だ」とまで絶賛しているアマゾンの評価やホームズ好きな<シャーロキアン>の皆さんには申し訳なく感じますが、我が道を進みます(^q^)

今となってはDNA鑑定で済む話なんだよなぁ。現代の名探偵はそっち方面の協力も得られるのよね。市民にとっちゃ良い時代になりました(?)

・・それにしても犯人の殺人動機の描写がかなり長い。そこまで掘り下げる必要があったのだろうか?
「殺す側にも殺される側にもそれなりの理由がある」ってのは分かるのだが。
100ページ使って犯人逮捕、残りの100ページで犯人の動機という構成はページ数としてはバランスがとれているようだけど・・読んでいると感じるだろうが・・内容としてはアンバランスなのだ。前半が事件の真相に迫っていくスピーディな展開となっているので、その反動もあり、後半読むのに疲れてしまった。
ここについては読むひとそれぞれ感じ方が異なると思われるのでそこまでとやかく言うつもりはないです。

犯人逮捕までの展開はなかなかスピーディでよかったのだが・・やっぱりそのあとが・・長いよね?ワトソン君。



正直なところ、
・ワトソン → 友達少ないぼっち(緋色の研究冒頭)

故国にはひとりの親戚もひとりの友人をももたなかった私は、まるで空気のように自由の身であった。


・ホームズ → ふだんやることがないと薬物中毒状態(四つの署名冒頭)

「きょうはどっちだい?モルヒネかい、それともコカインかい?」
ホームズは読んでいた古い事態の書物からものうげな眼をあげて、
「コカインさ。七パーセントの液だ。君も一本やってみないかい?」


ってことにビックリしたが、それはまた別の話。

153 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2009/08/16(日) 21:36:11 ID:3B3ON+AE
ちなみにシャーロック・ホームズの住所には今でも依頼の手紙が寄せられるらしいが
それをすると関係者から「現在老齢につき昔のような活動はもうできません」という返事の手紙が届くらしい



<あらすじ>
文学の知識―皆無、哲学の知識―皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンを巧みに奏する特異な人物シャーロック・ホームズが初めて世に出た、探偵小説の記念碑的作品。ワトスンとホームズの出会いから、空き家で発見された外傷のないアメリカ人の死体、そして第二の死体の発見・・・と、息つく間もなく事件が展開し、ホームズの超人的な推理力が発揮される。(裏表紙より)



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◇四つの署名 【★★    rank C 】No.557
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