スポンサーサイト

--年--月--日

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

就活ってなんだ 【★★★   rank B 】No.606

2010年09月02日

就活って何だ―人事部長から学生へ (文春新書)(2009/09)
著 森 健
社 文春新書
Ex サブタイトル「人事部長から学生へ」

15の名だたる大企業の人事部長へのインタビュー録。
それぞれ別の企業の意見なのだが、そこから浮かび上がってくる共通項。
就活の現状 と 求める人材 とは一体どのようなものなのだろうか。
文藝春秋 森健『就活って何だ』特設サイト より

◎目次
はじめに
 情報提供の“本音”と“建前”/面接官の意図を理解する/企業秘密をあえて聞く

東海旅客鉄道「判断力、実行力、そして馬力が必要」巣山芳樹(取締役人事部長)
 採用活動は大イベント/「自律性」に注目する/奇をてらう必要はない/リニアの「重み」を理解できるか
 働きがいは部下の成長/「まっすぐ前を向いて歩ける会社」/国に貢献している実感

全日本空輸「泥臭いローカルな学生大歓迎」志岐隆史(執行役員人事部長)
 「変人よ、集まれ!」/とことん田舎者/三五校から九〇名内定
 朴訥とした学生の個性/ピンチにまとまる気風/たんこぶの分、賢くなる

三井物産「リーダーの器か見極める」雑賀大介(執行役員人事総務部長)
 入社三年目で大仕事/「挑戦と創造」の気風/「あなたはモテますか?」/最終面接官のフィーリング
 昔の自分を面接したら/「人の三井」と「三井の人」/「良い家庭や良い友だちをつくれ」

資生堂「美しく生きることへのこだわり」高重三雄(執行役員人事部長)
 祖母のコンパクト/「美意識」「自立性」「変革力」/たこ焼き屋とクレープ屋/妹が一人前の女性に
 最後の一分で逆転/「もう会社辞めたいよ・・・」/内定者には「エレベーター体験」

東京海上日動火災保険「“気づき”の深い人 浅い人」木村岩雄(人事企画部長)
 エントリーシートではわからない/ガッツとバイタリティ/ブランド志向だけでは困る
 本気でしかることもある/誠実さが大きな成果を/思いもかけず内定/信頼こそがそべて

三菱東京UFJ銀行「未知の仕事に“素直に”取り組めるか」島本武彦(執行役員人事部長)
 対等な立場の「お見合い」/銀行は「人がすべて」/ピッチャーかキャッチャーか/「組織の三菱」への誤解
 普通の人がリーダーに/面談で厳しく説教/社会においては「黒子」

サントリーホールディングス「『やってみなはれ』精神の継承者」宇野重雄(人事部長)
 「求める人材像」を議論/攻略本頼みはもったいない/お酒が飲めなくても大丈夫?
 面接の間に「面談」/採用決定は合議制/現場にヒントあり/入社一〇年は育成期間

明治製菓「“とんがった人材”が会社を変える」樋口昌弘(人事室長)
 ひときわ苦労した職種/「人がやさしい」会社/「エクセレント」か「バツ」か/喋れないけど「独特の輝き」
 「明治じゃなくてもいい」/個人の執念が結実した商品/プロフェッショナルの条件

武田薬品工業「コツコツ真面目にというDNA」石井陽二(人事部長)
 「タケダイズム」という理念/確認することは最終面接まで同じ/“きれいな志望動機”が多すぎる
 グローバル人材への枯渇感/ひときわ光った中国人女性/江戸時代以来の原点は不変

日立製作所「10年後の仕事をイメージしてみよう」飯塚毅(人材戦略室室長)
 派手なことは言わない/学校名は最後まで不問/セミナーで驚いた質問
 どこまで掘っても具体的/時間軸をベースに聞く/覚悟が半端じゃない/「和、誠、開拓者精神」

NTTドコモ「頭のよさより、笑顔が素敵な奴」田中隆(取締役執行役員人事部長)
 チャレンジ精神が原点/第一印象で七割わかる/「第一志望」か「志望群」か
 採用における「縁」/忘れられない面接/働くことは生きた証

バンダイ「10円を100円に替えられますか?」本田耕一(取締役管理政策担当)
 採用基準がわからない/飛びだす絵本のエントリーシート/NGワードは「エコ」
 メイド美容室を経営していた学生/年間一〇〇〇本企画提案/MVPには報奨金/ウィン=ウィンの関係

フジテレビ「怒られたら、大きな声で謝れる人間」河野雄一(執行役員人事局長)
 面接では世間話/創造性、ストレス体制、倫理観/短時間で的確に話す/“一番重い面接”
 各局のカラーの違い/不条理に耐える/仕事なんて暇つぶし

ベネッセコーポレーション「上昇意欲の根っこが大切」豊田京子(人財部長)
 「これは」と思える学生/グループ討議のコア/一時間の連続面接/「人事カード」とは?
 企業とボランティアは違う/役員も読み耽った小冊子/OJTで体で覚える/就職はスタートライン

電通「スポーツ、勉強、恋・・・青春を謳歌せよ」蛇草真人(人事局長)
 「人間力」が組織を強くする/課題の意図を勘違い/「七点と七点」より「九点と一点」
 「私が司会、あなたは時間係」/体育会出身者の悩み/「鬼十則」の真実/給料、待遇も大事/「就活ばかりに一生懸命になるな!」

マニュアルから脱するための就活五カ条
 理想の人材とは?
 1 グローバル / 2 多様性(ダイバーシティ) / 3 ストレス耐性 / 4 ビジネス感覚 / 5 自分と向き合う
 就職活動とは何か






 日本で毎年売れているベストセラーがある。それも学を修める大学生の皆が買って読んでいる大変教養深い作品らしい。それは何か。『絶対内定』という本だ。正直、姉から貰った2010年版と現在書店にある2012年版とで違うのはタイトルくらいではないのか。なかなかいい商売をしているものである。「ビジネスの視点」から見ても面白い。また第2回就職ガイダンスという全生徒が強制的に受ける講義があった。普段さぼっている友人も揃って参加した大変重要な講義らしい。その講義での講師第一声は「皆さん、ハッピーになりたいですか!!」である。これもなかなか宗教チックである。多くの学生は眼を輝かせながら聞いていたが、自分はちょっと醒めていた。この講師、年齢を言ってしまったのである。逆算すれば就活したのはバブル絶頂期、しかも当時は大学4年の10月まで音楽家を目指し、その後コネで大企業に入っているのである。自慢であっても現在の学生にその話をするべきではなかった。もちろん当人の実力・素質があったから入れたのは分かるが、今と昔とで就活は変わったのだから。

 さて、課題図書は各分野における名だたる大企業の人事部長に話を聞いたものである。各部長の話から重なる部分を浮かび上がらせることで就活における大切なことを読者に汲み取らせる。『絶対内定』のようにやることが書いてあるマニュアル本とは異なる。一言でまとめれば「就活マニュアルにあるような理想的な学生がほしいけど、就活マニュアルに沿っただけのマニュアル学生はいらない!」というマニュアル通りのような話になってしまうのだが、それでは芸がない。後半部の「マニュアルから脱するための五箇条」の他の共通項を探してみることで本書の他紙にない特徴が見えてくる。

① 「エントリーシートだけでは判断できない」・・せっかく就職しても3年以内に辞める人が3割以上おり採用費用・教育費用を考慮して企業側も即戦力をより求めるようになっている以上、差別化を図るための資格ですら皆が持っているのが現状。さらに練りに練られたマニュアルが存在するためエントリーシートだけでは判断しにくくなっているらしい。

② 「面接すれば見抜ける」・・京都大学での話でもあったが、やはり元気で喋れる人が通る。曰く、「最初の一言で七割分かる」。作り話も様々な視点からの質問を行い、具体的なことを聞くことで見抜くことができ

③ 「実は現在の部長でも曖昧な理由で入社してたりする」・・これは意外だった。むしろこの本はこの部分の話を人事部長から引き出している点に意味があるのではなかろうか。先輩がいたから、勘で、コネで、業界ナンバーワンだから、友人に付いていってetc..という理由で受けているという話が出てくる。もちろん謙遜もあり、その後の面接で各人の素質・経験・実力をアピールし、認められて内定を得るのだが、時代を感じる部分である。

④ 「ネットの情報で知った気でいる人は駄目」・・大分大学(経済)から山口銀行に入った友人がいるのだが、彼は世界16カ国を渡り歩き、そのままヒッチハイクで東京まで来て東京にある山口銀行へ単身で乗り込んでいった。そこで人事担当と仲良くなり、即内定を取ることになる。彼と話をし、一緒に行動したが・・あれだけのバイタリティが必要なのかと感じたものである。自信と行動力。自分にはないものだ。

 巻末部「マニュアルから脱するための五箇条」もまた人事が嫌がる就活マニュアルに組み込まれていくことだろう。就活マニュアルという就活教徒の聖典を手放すのはそれだけ難しい。本書を読んで、何を考え、これからどのように活かすか。これもまたひとつの相手の意図を理解するための練習なのであり、筆者が出した課題なのである。




<関連記事>
◇絶対内定
◇<就活>廃止論
◇就活のバカヤロー
◇ドキュメント 宇宙飛行士採用試験

<関連リンク>
文藝春秋 森健『就活って何だ』特設サイト 
関連記事


コメント

  1. オッキーさん | URL | -

    ③は余りオススメ出来ない会社と考えといた方が宜しいかと上が駄目だとたかが知れるからね会社のレベルがね

  2. 弓兵 Lv. 2 | URL | -

    時代の違い

    目次を見てもらえれば分かりますが、この本に出てくるのは各業界トップである超一流企業の人事部長さんばかりです。
    よって、一般的に“オススメ出来ない会社”であるとは到底思えません。
    仕事が出来るから人事部長にまで昇進されているのですし、会社のレベルも間違いなくトップレベルです。

    さて③をわざわざここで挙げたのは「自分に合った仕事は絶対にあるんだ!」と自分に言い聞かせて就活浪人をしたり、200社以上もエントリーシートを出して全て落とされ自○するような就活自○(これはあまり報道されない)という存在が歪んでいると思うからです。
    就職氷河期とはいえ、もう少し心に余裕があってもいいんじゃないですかね。一就活生の意見として書いておきます。

  3. Re: 就活ってなんだ 【★★★   rank B 】No.606

    とても魅力的な記事でした。
    また遊びにきます。
    ありがとうございます。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://u1r0.blog50.fc2.com/tb.php/630-23da846f
この記事へのトラックバック



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。